人の生く岸


https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/h/hirao_konita/20220404/20220404162304.png

向こうの岸は彼の岸辺
独り或る日思った
彼処へ往く事さえ出来るの成らば屹度
静かに此処を見れる

此処はもう儘に為らないと
誰かの叫びを聞いた
皆が何時か人では無くなってしまうと
何故だかそんな気がした

ビードロ細工の人等は
壊れ易いと解らない儘
遣りたいなら遣れば良いと思って
昨日の行いが今日の悲しみを運んで
遣り直す事も 出来無いのに只繰り返す

此方の岸は生く岸辺
私は渡り始めた

此方の岸を歩く人
彼方の岸も見えない
皆が此の岸を離れてく其の日迄
荒らぐ風は止まない

必ず迎えが来るから
皆はそんな事も
忘れてしまって只只今許り生きれば
良いとさえ思って居るの

ビードロ細工の人の和を
壊す事さえ厭わず何を
得られると思ってるのか
今日の行いが先の悲しみ 生み出して
笑って済まされる程 そんな容易い事では無いのに

忙しく人の生く岸辺
独りで私見てる


本歌
さだまさし
「坂のある町」


トップ   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS